実を言えばオレも転職回数は多いほうだよ。でも、転職回数が多くても転職できなかったことはない。それは転職がそんなに珍しくないクリエイティブ業界の特殊性なのかもしれない。でも世間的には転職回数の多い人に対する評価とはどんなものなのか。実際に転職回数が採用に与える影響がどの程度あるのだろうか。
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転職回数が多いことはデメリットなのか?
入社したら定年まで勤め上げるのが美徳とされていた時代はもはや過去!新卒で入社しても3年未満で会社を辞める人が3人に1人といわれる昨今、転職自体がネガティブに聞こえる時代ではなくなったように思う。
とはいえ、転職回数が多いことを良しとしない風潮は依然として変わっていない。採用側は転職回数から何を読み取ろうとしているのだろうか?
転職回数が多いと不安を与える
応募者の転職回数が極端に多いなと思ったとき、採用側は以下のような不安を募らせる。
- 飽きっぽい性格で、忍耐力が足りない人なのでは?
- 人間関係が上手く構築できないタイプなのでは?
- 条件が良いところがあれば、すぐに辞めてしまうかも?
といったマイナスな印象をを与え誤解されやすい。それでは実際に転職回数が増えると転職が不利になるのだろうか?
採用する立場からみた転職回数に対する評価
転職回数と採用・不採用との関係性について、企業人事担当とキャリアアドバイザーに調査した結果がリクナビNEXTのコンテンツとして掲載されている(2006年の調査結果)。
Q1 転職歴は何回くらいから気になりますか?
<前略>30代なら通常3回目の転職から、40代なら5回目が気になるよう。業種によって何回転職歴があっても気にならないという回答も。Q2 転職が複数回ある応募者の採用実績はありますか?
転職歴が2回以上ある応募者を採用したことのある企業が、全体の80%以上。2回目だからと気後れしている人がいたらもったいない。<後略>Q3 最高で何回くらいの転職歴がある人を採用された実績がありますか?
転職歴が3~5回目の人が最高と答えた人事が全体の65%以上。企業側は前向きに採用しているので、3~5回の転職歴なら気にしすぎる必要はないと言えるだろう。<後略>このほか「会社を辞めた理由」で、どのようなものがマイナスな印象になるのか。また、「会社を辞めた理由」で、どのようなものがプラスな印象になるかを尋ねている。
【出典】リクナビNEXT
どーする!?応募・面接準備 「転職回数が多いと不利ですか…?」
リクナビNEXTのアンケートによると、転職回数が企業の採用判断に大きく影響しているとは言えないようだ。また、転職回数を問題視せず積極的な人材獲得を行っている業界もある。
転職回数の多さが影響しにくい業界とは?
調べてみると渡り鳥が多い業界というのがクリエイティブ業界以外にもいくつかあるようだ。
クリエイティブ業界
クリエイティブ業界では、最新トレンドやデザインスキルに長けた若年層が活躍しており、冒頭で書いた通り転職歴が多い人はさほど珍しくはない。シゴトの性質上クライアントが同じでも取り扱う業務の幅が広いため、経験した仕事がそのままキャリアと評価されやすく、転職回数が多くなる傾向がある。
IT業界
IT業界は20~30代の従事者が多く、慢性的なエンジニアの人材不足が続いていることもあり、業界経験が浅く在職期間が短い状況での転職でも、比較的受かりやすい状況が続いている。
医療・福祉業界
人材不足という点では、医療・福祉関連業界も長らく同様の状況が続いている。この業界は収入面で苦戦が続いているが、今後需要が伸びることは間違いないので、未経験での転職では狙い目と言えるだろう。
ベンチャー企業、外資系企業
業界というカテゴリーではなく、企業タイプで見た場合は、ベンチャーや外資企業は転職回数を気にする会社が比較的少ない。ベンチャー企業は成長スピードが速いため人員確保を優先している。若年層の採用も多いので、第二新卒でバリバリ活躍したい人には向いている。
外資系企業の場合は転職回数より、前職での成果や今後の活躍に重点を置いた採用を行う傾向が強い。30~40代でも採用されることが多いので、国内企業である程度実績を作った自負がある人は、グローバルに活躍できるステージを目指してみるのも良いだろう。
結局転職回数の多い人は採用されにくいのか?
世間の価値観として、転職自体は肯定する風潮になってきたとはいえ「忍耐強さ」を美徳としている点は今も変わりがないし、採用企業が数ある応募者の中から絞り込みを行うとき、その人を推し量る上で転職回数も一つのキーになっていることは間違いない。
採用側からすると、中途採用には求人広告を出稿するなど、それなりのコストがかかるためいつでも採用活動を開始できる訳ではない。そのため、せっかく採用したのにすぐに辞められたら困るのが本音。
そういった背景から考えると、極端に転職回数が多い人はやや不利な状況と言えるかもしれない。それでも、全ての会社が転職回数で応募者を選別しているわけではないので、転職を前向きに考えての行動としてアピールできる内容にしておく必要がある。
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